価格はもちろん、サービス、補償面でも信頼できる引越業者はどこ?
大手、中堅、小規模の引越し業者の中から選りすぐりの30社を
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子どもたちが独立してしまってからは、夫婦二人で世田谷区の1LDKのマンションで暮らしていましたが、この度、夫が定年退職を迎え、それを機に、生まれ故郷の九州に引き上げることにしました。夫が現役で勤務していた約四十年間のうちに、我が家は実に七回もの引っ越しを経験しました。引っ越しは何回やっても大変で、特に子連れで南米に海外赴任をしたときのことを思い出すと、今でも少しゾッとします。ですが、今回の引っ越しが私たちの人生で最後の引っ越しになるだろうと思うと、些か感慨深い気もしました。約十年前の引っ越しのときにお世話になった業者さんが、とても丁寧な仕事ぶりで、料金にも満足できたので、今回も同じところにお願いしました。さすがに担当者の方は変わっていましたし、料金システムも変更があったようですが、挨拶も説明もきちんとしておられたので、安心して任せることができました。
見積もりの際に提示された料金は、予想よりも少し高いものでした。でも昔に比べて物価や消費税も高くなっているので、相場が上がってしまうのも仕方がないだろうと諦めました。ひとつ失敗したなと思うのは、見積もりのときと引っ越し当日で荷物の量が随分変わってしまったことです。私たちは今回の引っ越しを「終活」の一環として捉えておりましたので、今後の人生で不要だと思ったものはバンバン捨てて、とても身軽になりました。なので引っ越し当日、業者の方が私たちの段ボールの数を見て「これだけですか」と驚いていらっしゃいました。もし私たちが不用品の処分を見積もり前に終わらせていたら、あるいは、今後の荷造りで物が大幅に減る見込みだということを見積もりの方にお伝えできていたら、もっと料金を抑えることができていたかもしれません。ですが、心残りなのはその一点のみです。長距離運賃ではありましたが、繁忙期を避けて平日にお願いしたこともあり、価格は妥当だったと思います。
作業スタッフの方はみなさんお若くて、バイトの学生さんの姿もあったようですが、礼儀正しく、明るく、きびきびと働いてらっしゃって、とても好印象でした。搬出日と搬入日の間に二泊分の余暇があったので、私たちは温泉旅行を楽しんだのですが、その計画をお話ししたところ「どちらに行かれるんですか」「素敵ですね」と世間話にも花を咲かせてくださいました。引っ越しの作業が全て終わってから、プレゼントとして家具に取り付ける耐震用品をいただきました。「どうやって取り付けようか」と夫婦で首を傾げていたところ、スタッフの方が気を利かせ、寝室に置いたばかりのタンスに取り付けてくださいました。おそらくあれは本来のサービスではなく好意でやってくださったと思うのですが、おかげで毎晩安心して寝られています。模様替えがしたくなったときには(別料金にはなるけれど)呼べば来てくれるそうです。この先どんどん老いていくことを考えると、とても頼もしい味方ができたような心持ちです。